以前まで、「円形脱毛症の原因は精神的ストレス」だといわれていました ^1,2）。しかし、円形脱毛症は大人だけではなく乳幼児でもかかる病気であり ^3）、乳幼児でも、それほどまでの強い精神的ストレスがかかっているのか？という疑問が以前からありました。現在は自己免疫のメカニズムが明らかになりつつあり、ストレスは主な原因ではないと考えられています（円形脱毛症の病態・原因を参照） ^3）。
一方で、ストレスは円形脱毛症と全く無関係というわけではありません。身体的ストレス（ウイルス感染症など、体に負荷がかかるストレス）、精神的ストレスが発症のきっかけ（誘因）になることもあります ^3,4）。
ストレスが発症の誘因になるということは、ストレスが再発を引き起こしかねないことも意味します ^4）。体調を崩さない、趣味などの好きなことをする、困ったことは相談するなど、気分転換を図りながらストレスを溜めない生活を心がけるのがポイントです ^4）。

脱毛を気にするとストレスになって治りが遅くなるの？

ストレスが治療経過に及ぼすデータはありませんが、ストレスを減らして再発の可能性を低くする心構えは大切になります ^4）。
円形脱毛症の改善度合いとストレスの関係も気になりますが、円形脱毛症になると生活の質が落ち、抑うつ症状や不安症状を抱えることも珍しくありません ^3）。日々の生活で、心身の健康にも目を向けてみてください（円形脱毛症の概要 精神的なつらさは抱え込まないでを参照）。