円形脱毛症は、大人だけの病気ではありません。学童期の小児や、まだ精神的ストレスもさほど大きくないと考えられる乳児～幼児でも、大人と同様に発症・進行します。とくに小児発症の円形脱毛症では、アトピー性皮膚炎の合併が比較的多く、頭皮が赤くなったりフケが多くなったりすることもあります。
また円形脱毛症だけでなく、産まれたときから頭部の一部が脱毛している「先天性三角脱毛症」や、お子さん自身が髪の毛を抜く「トリコチロマニア（抜毛症）」、水虫などの原因菌が感染して起こる「頭部白癬」など、さまざまな脱毛が生じる可能性もあります。原因によって対処法はかわってきますので、脱毛を見つけた場合は、まずは皮膚科医に相談してみてください。
お子さんに円形脱毛症が生じると、親御さんは自分のこと以上に心配になり、とても悩まれると思います。そのような時には是非医師に相談してください。最初は現状をなかなか許容できないかと思いますが、医師に現状と今後の治療見込みを聞いていただき、少しずつ現状を許容するようにしてください。自分達がストレスを与え、お子さんに円形脱毛症を発症させたと決してご自身を責めないでください。円形脱毛症の原因はストレスとは限りません。例えお子さんが毛髪を失ったとしても、どんな姿でもご自身のお子さんを愛し、どっしりと構えて下さい。それがお子さんの安心感につながります。